生活保護について
生活保護を申請したら親族中に役所から連絡がいって扶養を強制されるのではと心配です。
すべての親族に連絡がいくわけではありませんし、特にDVで逃げてきている場合は福祉事務所は連絡をしません。
生活保護を申請した場合、役所は親族に対してあなたを援助できるかどうかの問い合わせをします。これを「扶養照会」と言います。この問い合わせの対象となる親族は主に次のとおりです。
- 経済的に自立していない子に対しての親
- 子、孫、親、祖父母などなど直系血族
- 兄弟姉妹
- これら以外に、現在、援助をしている親族など
すべての親族に役所から連絡がいくわけではありません。それに、この1~4の親族だとしても、相手が次のような場合は、扶養を求めることが困っている人の自立をさまたげることになり、また明らかに扶養を期待できないとして、問い合わせはしないこととなっています。
- 生活保護を利用中
- 長期入院や施設入所している
- 専業主婦・主夫
- 未成年あるいは70歳以上
- 20年以上音信不通になっている
- 生活歴などから特別の事情により明らかに扶養できない(虐待、絶縁など)
また、夫の暴力から逃れてきた母子の場合は、夫に対して扶養照会をしないとされています。こういった事情にあてはまるときには、生活保護を申請した際、扶養照会をしてもらわないように伝えましょう。
なお、扶養照会はあくまでも「問い合わせ」です。援助するかどうか決めるのは、親族の方であって、役所ではありません。扶養照会がされたとき、相手の親族に回答義務はありませんし、援助できない事情がある場合には役所への回答書にそのように書いてもらえば、それでかまいません。
生活保護制度では「扶養(援助)は生活保護に優先する」となっていますが、これはあくまでも援助があればその分だけ生活保護費を減額するという意味です。援助をしてもらわなければ生活保護が利用できないということではありません。